2026年11月03日

当院のホームページをご覧くださりありがとうございます。院長の守谷洋です。また久しぶりの医療コラムになります。私の専門である消化器内科の話題で、最近芸能人の方でも罹患が多く、日本人でもっとも多い大腸がんについてすべてを語りたいと思います。今回だけではすべてを語れないので3つのチャプター(①大腸がんについて)(②大腸がんの診断と治療)(③大腸がんの予防)に分けてわかりやすくご説明したいと思います。

まずは簡単に消化管について解説します。まず私たちが食べたものは食道を通って胃の中におちていきます。胃や十二指腸などで胃酸や十二指腸液、胆汁などの消化液が混じって食べ物がどろどろになります。そのあとは小腸にながれこんでいき、栄養を吸収していきます。栄養分を奪われた液体が次に大腸にながれこんでいきます。まずは盲腸にながれ、次に上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門と流れていきます。盲腸から直腸にかけてはだいたい日本人は男女共通で約1.5メートルと言われております。大腸の主な役割として、まずは水分の吸収を行い、便の形成を行うことです。水分だけではなくて脂肪酸やナトリウム、ビタミンなども吸収し、栄養も吸収します。S状結腸で便にまとまりがついて、肛門近くの直腸に便が貯留すると直腸壁がひろがって、トイレに行きたいという指令を脳にだします。直腸は通常便はいつも貯留しておりません。左下腹部のS状結腸に便が貯留するので、便秘の方はよく左の下腹部が痛くなります。あとは腸内細菌の活動を行う場でもあり、免疫機能の向上も行っている場所でもあります。

大腸がんの統計の前に、がんの確率についてですが、これは日本人のデータですが、がんと診断される確率は男性で65.5%、女性で51.2%です。つまり半分以上の方は生涯の中でがんになります。がんでなくなる確率は男性で約26.2%で4分の1、女性では17.7%約20%、約5人に1人の方ががんで死亡します。

そのなかでも大腸がんの患者さんは非常に多くてこれは2019年の国立がんセンターが発表した罹患数の順位のデータですが、大腸がんは1位で、男性では前立腺がんについて2位、女性では乳がんについで2位でした。次に死亡数の順位ですが、肺がんが一番多いのですが、大腸がんが男女合わせて2位で男性だと肺がんについで2位、女性では大腸がんが1位となっております。女性では乳がんが圧倒的に多いですが、乳がんは比較的予後良好のがんなので4位の位置になっております。

年間で大腸がんと診断される方は約15万人いて、亡くなる方が5万人と非常にポピュラーながんと言えます。確率でいうと、男性の10人に1人が大腸がんになって、女性では12人に1人が大腸がんになります。

大腸がんの年齢別の罹患率をみると、30歳代くらいからちょっとずつでてきて、40歳を過ぎると、大腸がんが増えてきます。なので大腸がん検診はこの40歳で始められます。年齢があがればあがるほど、どんどん増えていきます。75歳を過ぎたあたりからピークとなります。特に問題だと思うのは50歳から60歳台の方が大変で、お仕事をされている方でも重要な職についていることが多くて、ここで大腸がんと診断されて、治療となった場合に、仕事をやめなくてはいけなかったりとかいろいろ制限がでてきて大変な印象はうけております。

これは2023年の75歳未満の男女、大腸がんの都道府県別死亡率ですが、色が濃い県が死亡率が高いのですが、大腸がん死亡率は西高東低で、東北以北や北海道で死亡率が高いと報告されています。この理由に関してはチャプター3の「大腸がんの予防」編で詳しく解説したいと思います。

まずは簡単に大腸がんについての現状をお話しました。次回は「診断と治療編」になります。お楽しみに。
医療法人社団守谷内科医院 院長 守谷洋