しっておきたい大腸のお話~大腸がんの診断から治療まで①~|北海道伊達市の内視鏡・消化器内科・一般内科・アレルギー診療|胃カメラ・大腸カメラ・人間ドック|守谷内科医院

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しっておきたい大腸のお話~大腸がんの診断から治療まで①~

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2026年11月05日

しっておきたい大腸のお話~大腸がんの診断から治療まで①~

当院のホームページをご覧くださりありがとうございます。院長の守谷洋です。今回は大腸がんについての「診断と治療編」になります。前回のチャプター1では総論的なお話をしたつもりです。診断と治療編はボリュームが多く、2回にわけてご説明したいと思います・・!ではいきましょう!

まず大腸がんの発生部位ですが、上記のように分布しています。肛門の近くの直腸がんとS状結腸がんが非常に多いです。7割はS状結腸がんまたは直腸がんです。下行結腸がんは5%しかないし、右側の大腸もあわせて17%とそれほど多くはありません。

大腸がんの症状ですが、右側と左側で症状がぜんぜん違います。まず、腹痛・嘔吐ですが、これは左側の大腸がんに多く見られます。右側の腸を通過するのはまだ液体なので、便が詰まりにくいためです。逆に左は便が硬くなって大腸がんのところで通過障害を起こし、腸閉塞のような腹痛や嘔吐を認めやすくなります。貧血に関しては、これは両者起こるのですが、顕在化しやすいのは右側大腸がんです。健康診断で症状がないのに貧血だけが進む症状などはだいたい盲腸がんか上行結腸がんなどが隠れている場合が多いです。血便に関して言えば、これは圧倒的に肛門に近い、左側大腸がんに多くみられます。右側大腸がんも便をこすれて出血を認めますが、肛門からでるときには赤みが薄くなっていることがほとんどです。便が細くなる現象は肛門に近い左側大腸がんに多いです。これも同様で右側の大腸はまだ内容物が液体なので、大腸がん腫瘍部を容易に便が通過していきます。左側は便が硬いので、大腸がんがあると細い管腔を便が通過することになり、便が細くなります。続いて排便習慣の変化ですが、これは下痢と便秘を交互に繰り替えすことが特徴的で、肛門に近い左側大腸がんに多く見られます。最後に腫瘤を触知しやすいのは右側大腸がんです。これは進行した場合に多く認めます。上行結腸が一番腹壁に近いためです。まとめると盲腸がん・上行結腸がん・横行結腸がんのような右側大腸がんは症状が認めずらく、下行結腸がん・S状結腸がん・直腸がんは症状がでやすい特徴があります。しかし、早期がんはまったく症状はございませんので注意です。

大腸がんのできる仕組みですが、大きく2つあります。まず大腸がんは粘膜から発生しますが、良性のポリープを経過して癌化するタイプ、粘膜からいきなりできるタイプがあります。ポリープからできるがんは80%と言われており、ほとんどのがんは良性のポリープから発生します。

大腸ポリープは粘膜から発生して飲酒や喫煙などの刺激などで遺伝子変異を起こして、大きなポリープとなります。ここでさらに遺伝子変異がおきて早期大腸がんとなり、再度の遺伝子変異を起こして進行した大腸がんになります。小さなポリープから進行がんになるには5年から10かけてなると言われており、なので定期的に大腸カメラを行って、ポリープを切除することは将来のがん予防のために非常に重要です。

ここで消化器系の基本のがんのでき方についてです。まず消化器系の粘膜は大きく5層構造です。内側から粘膜、粘膜筋版、その下には粘膜下層、さらに固有筋層、最後に漿膜と続きます。基本的にがんは表層の粘膜で発生します。その後時間とともにサイズが大きくなり、上にいくというよりは下に下に浸潤していきます。

がんが大腸内で大きくなると、次に大腸の外側に存在するリンパ節に転移をします。リンパ節に転移したがんはリンパ管を介して、いろんなリンパ節に転移を起こしていきます。また血管にがん細胞が浸潤すると血流にのって、肝臓や肺に転移を起こしていきます。その他大腸の壁を貫いて腸管外に飛びだして腹膜にちらばる腹膜播種など、様々な形態でがんは進行していきます。

次にがんのステージについてですが、がんの深さ、リンパ節の転移の数、遠隔転移があるかないかでステージを決めます。これらを合わせてステージをおおまかに0から4まで5つ定めております。0が早期に発見されたがんであり、4は遠隔転移を来しているかなり進行したがんになります。

大腸がんのざっくりとした治療方針です。ステージ0というのは粘膜にできたばっかりのがんで大腸カメラで治します。これはほぼ完治します。ステージ1は内視鏡ではとれないやや大きい癌で手術でほぼ治ります。ステージ2になってくると、リンパ節転移はないけとがんがそこそこ大きい状態です。手術で完治が十分に期待できますが、再発率が10%程度と言われてます。ステージ3はリンパ節転移がある大きい癌になります。再発率は30-40%と高いので、術後には再発しないよう抗がん剤を検討します。ステージⅣは大腸がんがいろんな臓器に転移をしてしまった状態です。通常であれば根治は難しく、抗がん剤により腫瘍の増大を遅らせる治療となりますが、大腸がんはステージⅣでも根治が狙える場合があります。それば肝臓や肺に転移した腫瘍を外科的に取り除くことができた場合は根治の可能性もあります。

まとめると、ステージ0はおなかに傷がつかない内視鏡治療、ステージ1から2にかけては手術。ステージ3では手術を行い、術後抗がん剤を検討します。ステージ4は手術が難しい場合は抗がん剤による治療がメインですが、遠隔転移が手術で取り除くことができれば、大腸がん切除+肝臓部分切除もしくは肺切除などで根治を目指すこともあります。高齢の場合や治療が難しい場合は治療せず、緩和ケアになることもあります。

大腸がんの5年生存率ですが、結腸がんとはおしりの近くではないがんで、直腸がんはおしりに近いがんのことをいいます。上記図を見ると、結腸がんのステージ0の5年生存率は93%です。「ステージ0で5年後に亡くなっている人は7%もいるのか・・・」と思われる方がいるかと思います。これは「がんに関係なく、5年後亡くなっている確率」なので、おそらく7%の方はがんではない寿命や脳卒中や心筋梗塞などで亡くなっているものと推定されます。つまり結腸がんのステージ0と1は、ほぼがんを治すことができます。ステージが上がるにつれて生存率は低くなっていきます。直腸がんは結腸がんと比較すると予後は不良です。これはいろいろな要因があるのですが、大腸がんは早期であれば基本的に治癒できるがんであると同時にステージ3でも6割近くは生存できるので、これほど成績が良いがんはあまりありません。つまり、大腸がんは勝ち目のあるガンと考えることもできます。

続いて次回はパート2の治療をメインにお話したいと思います。この記事が少しでもお役に立つと幸いです。

医療法人社団守谷内科医院 院長 守谷洋

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