2025年9月12日

ホームページをご覧くださりありがとうございます。院長の守谷洋です。酷暑の夏からようやく解放され、北海道は涼しく過ごしやすい季節となってきました。そろそろ本格的な秋を迎え、来る冬は「インフルエンザ」の季節です。高齢者や呼吸器疾患がある方の重症化はもちろんのこと、「インフルエンザ脳症」に関しては0~14歳までが9割を占め、死亡例も確認されており、小児の感染予防のためにインフルエンザワクチンはとても重要です。日本において2024年10月から、注射ではなく鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト®」が使用可能になりました。注射が苦手なお子さんにとって、非常に便利でストレスフリーな選択肢です。2025年10月より当院でもフルミストを導入しており、今回はこの新型インフルエンザワクチンのフルミストについてお話します。

■フルミストとは?
このワクチンは、生きたインフルエンザウイルスを弱毒化した「生ワクチン」で、欧米諸国(アメリカでは2003年、ヨーロッパでは2011年から)では長年使用されており、安全性・有効性ともに多くのデータが蓄積されています。日本国内でも2023年に承認され、2024年から医療機関で導入が進んでいます。
■フルミストの特徴
①痛みがない!!
ワクチンと言えば注射が一般的ですが、フルミストは注射を使わず、鼻にスプレーをするだけで済みます。特に小さなお子さんは注射に抵抗感を持つことが多いですが、このワクチンは針を使わないため、痛みを感じることがありません。0.1mlというごく少量のワクチン液を両方の鼻に「シュッと」噴射します。
②1回の接種でOK!!
通常の注射型インフルエンザワクチンは、13歳未満のお子さんに2回接種が必要です。しかし、フルミストは1回の接種で予防効果が得られるため、追加の接種をする必要がありません。これにより、複数回病院に通う手間が省け、保護者の方にとっても非常に便利です。
③自然な感染経路!!
鼻から投与されるため、ウイルスが体に入る自然な感染経路に近い形で免疫反応を引き起こします。そのため、免疫応答が注射型のワクチンに比べて強化される可能性があり、特に幼児や若年層においてはより効果的であるとの期待がされています。
④持続する効果が長い!!
上記感染経路のため、注射型ワクチンは約5か月とされていますが、フルミストは約1年とされ持続する効果が長いのが特徴です。(季節外れのインフルエンザにも効果あり)
■フルミストのデメリット
生ワクチンであり、副反応として30-40%の方に軽い風邪のような症状が見られることがありますが、ほとんどの場合は軽度で一時的なものです。
鼻づまりや鼻水(約60%)
のどの痛み(約20%)
軽度の発熱(10%未満)
頭痛、全身の疲労感(約10%未満)
筋肉痛や軽い咳(約30%)
これらの症状は通常、数日以内に自然に改善します。また昨年日本で行われた臨床試験の結果からも、全体的には大きなリスクは少ないとされています。
■フルミストの接種ができない方
・2歳未満または19歳以上のお子さん
・卵やゼラチンアレルギーなどがあるお子さん
・以前に喘息発作や気管支喘息と診断されているお子さん
・妊娠中のママがいるお子さん
・2歳未満の兄弟がいるお子さん
・アスピリンを内服しているお子さん
・免疫力が低下しているお子さん
上記は必須ですが、この場合はどうなの?などご不明点などありましたらお声がけしていただけたら幸いです。
■当院でのフルミスト接種について
・接種開始は10月14日(火曜日)です。(一般のインフルエンザワクチン開始と一緒です)
・料金は7000円(税込)です。
・時間帯は木曜日を除く平日15時~17時までとしてフルミスト点鼻は1日1人から2人程度の予定です。
(人数が多ければ土曜日なども検討します)
・院長が点鼻します。
・完全予約制でご希望の方はお電話にてご予約お願いします。(一般インフルエンザ接種は従来通り予約は不要です)
・2歳から12歳までのお子さんはフルミストのみ対応として、13歳以上19歳未満の方は注射型もしくはフルミストが選択できます。フルミストをご希望の方はお電話にてご予約をお願いします。
またこれまで注射型インフルエンザワクチンなどでよく腫れやすい方などもフルミストは良い適応かもしれませんね。ワクチンを上手く活用し、感染症シーズンの冬を上手く乗り越えられたらと思います。
医療法人社団守谷内科医院 院長 守谷 洋