大腸がん死亡率をへらす ~便潜血検査~|北海道伊達市の内視鏡・消化器内科・一般内科・アレルギー診療|胃カメラ・大腸カメラ・人間ドック|守谷内科医院

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大腸がん死亡率をへらす ~便潜血検査~

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2025年5月17日

大腸がん死亡率をへらす ~便潜血検査~

当院のホームページをご覧くださりありがとうございます。院長の守谷洋です。5月に入り、健康診断を行うところも増えてきました。会社の健診で受けることが多い「便潜血検査」にて今回はお話したいと思います。

便潜血検査とは「便の表面をこすって目に見えない血液が混じっていないかを確認する検査」です。結果は便に血液が混じっていれば陽性、血液が混じっていなければ陰性という至ってシンプルな検査です。ここで注意していただきたいのは「便潜血陰性だったら大丈夫」では決してありません。便潜血検査はあくまで「社会全体の大腸がんの死亡率を減らすこと」を目的とした検査で、個人の死亡率にはあまり関与しておりません。

便潜血陽性となる確率は手術を必要とする進行がんであれば約90%、内視鏡で治せるような早期がんは約50%です。つまり、「がんがあっても2人に1人は陰性」とでてしまいます。またがんになる前段階の大腸ポリープ(10mm未満のポリープ)であれば、約10%程度しか陽性となりません。

便潜血検査で陽性がでた場合の対処法ですが、上記のごとく、統計的に大腸がん・大腸ポリープがみつかる確率は約50%です。「2人に1人が大腸がん・大腸ポリープが見つかります」。他には大腸の炎症であったり、痔の出血のこともありますし、全く健康な大腸でも毎日1-2mlの自然出血があります。しかし、必ず2人に1人はがん・ポリープが見つかるので、必ず「大腸カメラ」を受けて頂きたいです。また便潜血検査で陽性となった方ですぐに受診をされた方と受診を後回しにした場合はその後の生存率は約5倍違うと報告されております。大腸カメラ検査では大腸がんの診断はもちろんのこと、がんになる可能性のある大腸ポリープを発見・その場で切除することで将来の大腸がんも予防することにつながります。

アメリカでは大腸検査の実施率が高く、大腸がんの罹患数が減少しているのですが、一方で日本では便潜血検査が普及しているにも関わらず、実は引っかかった方の10人に6人程度しか受診していないのが問題視されております。「症状がないから」「どうせまた痔出血だろう」と都合のよい考えを行ってしまうと、つまり10人のうち4人は早期に診断できる期間を逃してしまっています。

最後に便潜血検査の注意点ですが、便潜血検査は毎年繰り返し受けることで、検査の精度を補完する検査です。1回だけの検査では、早期大腸がんの50%、進行大腸がんの10-20%は陰性となります。言ってしまえば毎年繰り返し受けていると「いつかはひっかかるだろう」という検査ですので、便潜血検査を毎年うけてひっかかれば大腸検査を必ず受けて頂くことが重要です。

また便潜血検査で陽性となった方で、「大腸検査を受けるのが怖いから」、もう一回便潜血検査を受けて次も陽性だったら大腸検査を受けようとする方がいますが、これはとっても危険な考え方です。なぜなら内視鏡で治るがんは50%しか陽性とはなりません。今回陽性であったからと言って次も陽性になるとは限りません。逆に言えば、今回も陽性、次も陽性であった場合にはその際は進行がんの可能性もあります。なので検査が陽性であれば、必ず受診して大腸カメラ検査を受けて頂きたいと思います。

当院では2025年4月より大腸カメラ検査を開始しております。大腸カメラ検査のハードルを少しでも下げることができるように当院では様々な工夫を行っております。鎮静薬・鎮痛薬の導入や個室のリカバリールームなどもあります。日本人で最も多いがん:大腸がんを予防するために、便潜血陽性と診断された方は当院にお気軽にご相談していただけたら幸いです。

医療法人社団守谷内科医院 理事長・院長 守谷 洋

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