2025年5月10日

当院のホームページをご覧くださりありがとうございます。院長の守谷洋です。長引く咳を主訴に来院される患者様が増えております。風邪をひいたあと、喉の痛みと鼻水は治まったのに、咳だけが治らない、もしくは夜間、明け方に咳がひどく眠れないなどの症状ございませんでしょうか?そのような患者様が来院された場合、様々な鑑別疾患(マイコプラズマ肺炎、百日咳、感染後咳嗽、薬剤性、COPD、アトピー咳嗽、気管支喘息、胃食道逆流症など・・・まだまだあります・・)を挙げて診療していきます。今回は慢性の咳の原因で比較的多いとされる咳喘息に関してお話したいと思います。
咳喘息は「喘鳴(ゼイゼイやヒューヒューの音)がなく、咳だけが長く続く」疾患です。気管支喘息と似ていますが、気管支喘息のような喘鳴や息苦しさは認めません。
・2週間以上咳が続く(痰があまりからまない)
・風邪や花粉症の時に咳が続く
・季節性に咳がでる
・空気の変化やたばこの煙、飲酒、会話などで咳がでる
・夜に咳がでて眠れない
・アレルギー体質である
・小児喘息の既往がある
これら上記の症状があれば咳喘息の可能性があります。咳喘息は風邪薬や咳止め薬は効果がありません。治療は吸入ステロイドや気管支拡張薬です。吸入を開始すると、咳喘息であればだんだんと症状は改善していきます。(完全に咳が治まるまでは1か月程度かかるかもしれません)咳喘息は放置すると、30%~40%の方が気管支喘息に移行すると言われており、気管支喘息に移行すると外来でのマネジメントが難しくなります。診断後は最低でも2~3か月は吸入ステロイドを続け気道の炎症を抑える必要があります。
今回は長引く咳の原因の1つである咳喘息に関して簡単にご説明させていただきました。上記症状がございましたら、当院にお気軽にご相談ください。現在は全国的に百日咳なども流行しており、今後このコラム内でご連絡できたらと考えておりますので、今後ともよろしくお願いします。
医療法人社団 守谷内科医院 理事長・院長 守谷 洋